「化粧品広告におけるNGフレーズがあるって知ってる?」 Part 2
今回のブログは、以前にお話しさせて頂きましたテーマの続編をお届けします。
前回記事はこちらです。↓
前回は、「アンチエイジング」及び「細胞の活性化」に関する広告表現についてお話ししましたので、
今回は
●悩んでいたシミがきれいに消えます
●有効成分を高濃度で
こちらの広告表現についてご紹介していきますね。
メイクアップ効果としてならOK!スキンケア効果としてはNG!
●悩んでいたシミがきれいに消えます
まず一般化粧品(=化粧品)において「シミを消す」という表現が『薬機法』で認められている場合を
ご紹介しましょう。
このように、ファンデーションやコンシーラー等
メイクをすることでシミをカバーする・隠す旨の表現であればOKということになります。
ですから
「悩んでいたシミがきれいに消える」
「できてしまったシミ・ソバカスが薄くなる」
の様に「既にできたシミ・ソバカスを消す、なくす」等の
治療的な表現は化粧品の効能効果の範囲を逸脱していることになりますので
広告表現としてはNGとされています。
また、メーキャップ効果である旨が明確でなく、誤認を与えるような表現もNGとされていますので、
「美白パウダーでシミ・ソバカスが消えてなくなる」
このような表現も不可となります。
理由として
①メーキャップ効果である旨が明確でない
②「なくなる」の表現が治療的な効能との誤認を与える
等が挙げられ、化粧品の広告として使用することは出来ません。
さて、ここで「シミ」・「ソバカス」についてお話しましたので、
続けて「美白」の効果・表現についても少しお話をしようと思います。
「シミを消す=美白効果」は間違い!シミをできにくくする予防効果のみ
もしかしたら
「シミを消す = 美白効果」
と思っている方も意外といらっしゃるかもしれません。
ですが、本来の美白作用というのは
「メラニンの生成を抑え、日焼けによるしみ・そばかすを防ぐ」
ことをいいます。
このようなフレーズ、1度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
こちらは薬用化粧品(=医薬部外品)における承認を受けた効能効果に基づいた美白表現になります。
これらをふまえ、
「既にできたシミ・ソバカスを消す」のではなく「これからできるシミを予防する」ことで
「美白」効果を謳っていくことになります。
薬用化粧品とはいえどもこれまでにできてしまったシミを消す表現は認められておりませんので、
化粧品同様に(治療的な意味で)広告表現として使用することはできません。
なお、「美白効果」、「ホワイトニング効果」等のワードそのものは
『薬機法』による承認を受けた効能効果ではありません。
「?????」
またしても、ややこしくなってしまいましたかね??(笑) では、説明しますね。
まず、「美白効果」や「ホワイトニング効果」等の
ワードのみで美白表現をすることが認められていないということです。
これらのワードを使用する場合は一定のルールに従って表現する必要があります。
上記にも示したように承認を受けた効能効果、例えば
「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」又は「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」を明示した
「説明表現」を併記すれば美白表現をすることが可能です。
「美白※ケア」 ※メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ
こちらのように「美白」や「ホワイトニング」の効果の注釈として、
わかりやすいように近くに明記されていることが多いでしょう。機会があったらチェックしてみてくださいね。
このように、化粧品広告における「美白」効果の表現は、かなり厳しいルールとなっていますので、
先にご紹介したもの以外にも、次のような表現も『薬機法』では認められていません。
こうしてみると、美白表現が認められる場合ってかなり限定的になりますね。
「美白」は訴求力が高いワードですので、ルールを理解して、
認められた表現の範囲内で工夫しながら広告を作成することが大切になってきます。
化粧品で「有効成分」という表現を使用するのは✕!医薬部外品なら◎
●有効成分を高濃度で
化粧品の広告等で「有効成分」とういうワードを見掛けることはありますよね。
しかし注意して頂きたいのが
「有効成分」という言葉は、医薬品や医薬部外品の効能を持つ特定成分のこと
を指しています。
つまり医薬部外品などで厚生労働省が許可した効果効能に有効な成分にのみ
「有効成分」という言葉が使えます。
これは「医薬部外品」の成分表ですが、
この場合
「グルチルリチン酸ジカリウム」と「トラネキサム酸」は「有効成分」と言えますが、
上記2点の成分が配合された化粧品の場合は、「有効成分」とは言えません。
「医薬部外品」ではなく「化粧品」の場合、すべての成分において「有効成分」という言葉を
適応することは認められていないのです。
たとえ医薬部外品の有効成分として認可されている成分であっても「化粧品」に配合されている場合には
「有効成分」と表記することはNGとなります。
以前に「化粧品」と「医薬部外品」の違いについてまとめた記事があります。↓
良かったらこちらもご覧ください!
今回もだいぶ長くなってしまいましたが、いかがでしたか?
『薬機法』は消費者に誤認を与えないため、消費者を守るために存在するものです。
ご自身が化粧品を選ぶ時の参考にもなれば幸いです。
また、化粧品広告のルールを理解して、しっかり守った上で適切な広告作りを心掛けたいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
研究開発部 H.M